「依存症家族から」・Yさん

平成24年3月 私たち家族はどん底の暗闇に突き落とされました。

息子の職場の上司からの一本の電話。

「息子さんの事で話があります。明日お伺いします。」

胸が締め付けられる嫌な予感でした。以前も職場のお金を使いこみ私たちが尻拭いをしたことがあったのです。すべてギャンブルのためです。

翌日、上司が自宅まで訪れ「息子さんが信じられない、大変残念な事態になってしまいました。」と今回の経緯を説明してくれました。

再び職場のお金を使いこみ窃盗まで犯していました。言葉にならない深刻な事態です。

結局、職場から被害届が出され息子は逮捕されることになりました。3人の刑事が自宅で逮捕状を見せ逮捕される瞬間の様を見ることは親として筆舌につくせない大きな不幸です。私たちは犯罪者の親になったのです。

翌日の新聞やテレビでも報道され、今まで築いた社会的信用や人間関係など全てを一瞬に失った気がしました。また昔かたぎで律儀な性格の妻もその衝撃の大きさに対人恐怖症となり今までの友人や姉兄たちとの会話も拒絶し家に閉じこもってしまいました。電話も一切取らず、来客があるとすぐ自分の部屋に閉じこもってしまいました。

初めは息子をどうすればよいか分からず、精神病院を受診し入院させることにしました。主治医から「典型的なギャンブル依存症ですね。これは治らないです。」と言われました。

「ギャンブル依存症」「治らない」初めて聞く言葉で2重、3重の衝撃でさらにどん底に突き落とされました。

そんな中、私たちに少しの光を与えてくれたのが孫たちです。朝夕に「じいちゃん」「ばあちゃん」と様子を見に来てくれ、アメリカへ嫁いでいる妹も娘を連れて帰ってきてくれました。その妹が那覇に「琉球GAIA」という依存症のリハビリ施設があることを調べてくれました。ちょうどその頃、「かいクリニック」の稲田先生から琉球ガイアを紹介してもらいました。私たちはすぐに琉球GAIAを訪ねました。

ここで鈴木施設長との運命的な出会いです。まさに奇跡的でした。

息子は一年半琉球GAIAでのリハビリに入りました。振り返ってみるとギャンブル真っ最中の頃は目線が何かにおびえ定まっていないようでしたがGAIAでのリハビリ中はかなり落ち着いている様子でした。

平成25年10月、鈴木施設長との面談で「息子さん、GAIAでスタッフ研修を受けさせてみてはどうでしょう。」と提案されました。私も妻も涙が出るほどうれしかったです。かいクリニックの稲田先生からも「これから沖縄もギャンブル依存の人が増えるだろうから本人や家族のケアのために息子さんたちの力が必要になってきますよ。」とのことでした。

私たち夫婦も息子が琉球GAIAのスタッフとして大いに成長し、私たちのように苦しんでいるご家族の少しでも支えになれることを望んでいます。

さて、あれほど対人恐怖症のようになって他人との接点を拒んでいた妻も少しずつ前向きになり、GAIAの家族会やウォーキング、自分で車を運転して買い物、趣味のパッチワークなどにも取り組むようになりました。「ギャマノン」にも通い、「共依存」という言葉や「自分らしく生きる」意味の重要さも教えて頂きました。

息子は8か月のスタッフ研修を終え、昨年の7月から琉球ガイアのスタッフの一員として働くようになりました。以前のような「偽り」「巧みなウソ」「逆切れ」「言い訳」など全く信用できないような言動は薄れ、今では信用することが出来る確信があります。「明けない夜はない」という言葉があるように私たちの生活も少しずつ明るくなってきました。これからも心の平安を保ち、前を向いて自分らしく生きていきたいという思いです。

息子を育てて頂いた琉球GAIAの鈴木施設長、かいクリニックの稲田先生、共にスクラムを組むスタッフの皆さまには心から感謝しております。

ありがとうございました。

 

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