「家族の為の一日集中セミナーについて」

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「家族の為の一日集中セミナーを終えて」

琉球GAIA代表理事 鈴木文一

以前、GAIA家族会・琉球GAIA共催の集中研修会を行いました。講師の先生には埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也先生、新潟医療福祉大学の近藤あゆみ先生をお迎えし、「薬物依存症の回復と家族」や「依存症を持つ家族に必要なこと」について講演をして頂きました。多くのご家族の方からは専門家の話を聞くことで、依存症についてより理解が深まり、大切なことを再確認できた、本人の回復への希望が見えてきた、私たち家族の回復が本人にとって大切なことだと気付けた、仲間の重要性が分かった、多くの新しい家族と知り合えた等、充実した研修会だったとの感想を頂きました。

このような充実した研修会を開催できたことを家族会の皆様に感謝しつつ、これまでの歩みを振り返ってみると、やはり依存症からの回復において家族の力というのは本当に大きいものがあると実感します。

私が依存症リハビリ施設と関わるようになった頃は、依存症者本人だけが注目され、その一番身近にいるはずの家族の存在が見落とされがちだったように思います。本人がリハビリ施設である程度回復し、いざ実家や地元に帰ると再使用してしまい戻ってくる。このような光景を何度も見てきました。これは家族をはじめ周囲の人々が依存症という病気についての理解が乏しく、過去の苦しみや悩み等のトラウマから、回復しつつある本人との上手なコミュニケーションがとれなかったことが大きな要因だったと思います。

しかしこれは当然の事で、依存症という病気は家族や周囲を巻き込みながら進行していきます。依存症者本人と同様に家族もボロボロに疲弊してしまうのです。その家族が何のケアもなく放置されたままでは理想的な回復はなかなか難しいでしょう。

私たち琉球GAIAの一つの理念である「家族と共に回復する」はこの様な状況から生まれました。家族が依存症と言う病気について正しく理解出来る場所、家族が元気と健康を取り戻し本人の回復に希望を持って信じられるようになれる場所、そして家族がありのままの自分をさらけ出すことが出来て、悩みや苦しみ、回復への喜びを共感できる安心で安全な場所としてGAIA家族会も9年前に発足しました。現在では毎月、全国三か所で開催されています。また年に二回宿泊研修会と懇親会を行い、この度の集中研修会は、本年四月より新幹事の皆さまと共に企画し、本年より新たな試みとして開催致しましたが、多くの好評を頂き琉球GAIAとしてはこれからも継続して開催していきたいと考えています。

そしてもう一つの理念である「沖縄の大自然の中で仲間と共に回復する」のもと回復の地をここ沖縄に求めたことは間違ってなかったと確信しています。温暖で美しい自然、朗らかな人々、ゆったりと流れていく時間等、回復に必要なものが当たり前のように溢れています。地元を離れ疑心暗鬼で沖縄までやってきた多くの仲間たちも、日焼けし健康的になっていく自分や、サーフィン、ゴルフ等のスポーツプログラムで上達していく仲間を認め合うことで人間関係の改善にも良い影響を与えています。また入寮、通所を経て社会へ出ていく際も「もう少し沖縄で仲間のそばにいた方が安全だな。」ということでOBになってもGAIAの近くにアパートを借りて仕事や学校に通っている仲間もいます。このような仲間が今では四一人となり、一つの小さなコミニティを形成しています。これは琉球GAIAの大きな特徴となっています。

このように本人はGAIA等のリハビリ施設や自助グループで、家族も本人同様に家族会や自助グループ等でじっくりと依存症についての理解を深め、多くの仲間たちと出会い、健康と元気を取り戻すことが本人・家族を含めた依存症からの理想的な回復へ繋がると私たちは考えています。

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