「問題を抱えたご家族へ」

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「問題を抱えたご家族へ」

琉球GAIA代表理事 鈴木 文一

今回は私たちの理念である「家族と共に回復していく」ということの重要性を皆様にお伝えしたいと思います。

私が依存症リハビリに携わり28年が経過しました。その歳月の中で感じていることの一つに、本人が治療につながるまでの期間の変化が挙げられます。

以前は、問題を抱えたご家族(本人含む)が相談や治療に繋がってくるのは問題が重症化してからでした。まだまだ専門の相談機関も少なく、色々な部署や窓口をたらい回しにされ、なんとか私たちの施設につながってくるという方ばかりでした。

そしてやっとの思いでつながった施設でリハビリを終え、回復したかのように見えた仲間達が自宅(親元)に戻るとあっさり再発して戻ってくるというケースが後を絶ちませんでした。それはご家族が『依存症』という病気を正しく学ぶ場や機会が無い、病気を理解出来ない、間違った対応をしてしまうという悪循環によって病気の再発を食い止められないという残念な結果に繋がっていたからだと思います。

そこで私たちは『GAIA家族会』を立上げ、その中のプログラムの一つに依存症教育プログラムを盛り込みました。依存症の治療や回復を考えたとき、なぜ家族がそこまで重要な存在なのかというと、本人の回復に対して家族が及ぼす影響が大きいという点があるからです。家族が依存症のことについて学び、適切な対応を身に付けることで治療に対する提案を上手に伝えられるようになり、本人が治療を受け入れる可能性が高まります。また、依存症という病気は完治することがなく、いつ再発するかもしれない点を考えると、それを長期的に予防していくためにも家族の支えは必要不可欠なものと考えています。

そして、GAIA家族会の近年の傾向として非常に私たちが頼もしく感じることは、家族会に両親で参加される方が増えてきているということです。以前は主に「母親」が一人で問題解決に奔走しているケースがほとんどでしたが、最近は「父親」も家族会や研修会に参加することによって、より良好な家族関係を築いていけることが、本人の回復にとって高い効果を発揮しています。

私たちが考える、最も良い(家族の関わり)というのは、本人に対する叱咤激励などではなく、家族自身が家族会や研修会に参加し、「知ろう・変わろう」としている姿勢や、「共依存」の問題から回復したいと実際に取り組んでいる姿勢だと考えております。また、本人の回復同様、ご家族の方々にも多くの「仲間」との出会いが大切です。同じ境遇の仲間と出会い本人の回復が信じられるようになることや、疲労困憊な状態のご家族が元気を取り戻せるようになることが大切だと考えます。

ご家族の方々にはぜひ以上のことをご理解頂き、安心感、安全感を感じることができ、正直な話や相談が出来る場所を見つけて頂きたいと思います。

 

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