「沖縄の夏」・GAIA 斎木 一平

斉木一平

~「沖縄の夏」~

琉球GAIAスタッフ 斉木さん

 

皆様こんにちは、琉球GAIA(以下GAIA)スタッフの斉木です。

自分は、今年5月から常勤スタッフとして働かせてもらっています。自分にとっての今年の沖縄の夏は、GAIAのスタッフとして迎える初めての夏で、とても楽しみにしています。沖縄の夏というと、照りつける太陽、澄み切った海、肌にまとわりつく湿気、青年会のエイサー、ビーチで食べるBBQなどなど・・・。夏といえば楽しいイメージが盛りだくさんですが、今回は自分にとっての『沖縄の夏』というテーマでお話ししたいと思います。

自分が初めて沖縄の夏を体験したのは17年前の20歳の時でした。この時はクスリが止まらず自分が何をしたいのか、どこに向かいたいのか見つけることが出来ずに、ただただクスリを止めたい! という思いだけで飛行機に乗り、沖縄の施設に来たのを覚えています。

沖縄の施設に入って半年ほどが経った頃、自分にとって記念すべき1回目の『沖縄の夏』を迎えました。仲間とキャンプに行ったり、自助グループのイベントに参加したり、日曜日は仲間と一緒に近くのビーチへ日焼けをしに行ったり、クスリの欲求はあまり入らず過ごせていた夏だったと思います。しかし今だから言えることですが、当時は自分自身を上手く見つめられていなかったと思います。

ミーティングで自分の事を話したりして、自分なりに自己分析をしていたんですが、依存症という病気を舐めていたと思います(笑)当時の自分の持っていた考えは『バレなきゃOK!』『薬がとまっているんだからいいじゃないか!』でした。そんな僕ですが、クリーンタイム(薬物を使用せずに過ごせている期間、以下クリーン)は続いていたので、順調に仕事プログラムに移行し、円満退寮出来ました。そしてここ沖縄で、人生初の一人暮らしがスタートしました。

退寮した後にアルバイトから契約社員に上がり、一日の大半が仕事で追われていました。その頃は仲間とも遊ばなくなり、ミーティングにも行かず、依存症は治ったと思っていました。そんな状況の中で、風邪をひいて出勤したら、職場に咳止め薬が置いてありました。自分の本命は咳止め薬です。「用法容量を守れば問題ないよ!」と依存症の心が囁き、連続使用が始まりました。

なので2年目から4年目の沖縄の夏は、クスリを使いながらドロドロとしたアツーイ夏でした(笑)

沖縄でもクスリが止められず、今度は自助グループのNAに通いクスリをやめる決心をしました。思い返すとこの時の決心が、自分にとって本当にクスリを止めるためのターニングポイントになったと思います。

クリーンを続けるために仕事をやめて、NAに通うことだけに専念しました。クリーンな生活が続き、心身ともに元気を取り戻して、再びクリーンで沖縄の夏を満喫することが叶いました。この時の記念すべき一回目の夏は、沖縄にGAIAが設立され、自分は社会復帰のための一環としてスタッフ研修をさせてもらっていたので、GAIAの仲間達と一緒に過ごすことが出来ました。沖縄の青い海と、どこまでも続く広い空、暖かい海水、いつも笑顔で一緒に波乗りしてくれる仲間達。自分はこの時期にサーフィンが大好きになりました。仲間と一緒に楽しくサーフィンをしていたからこそ、好きになれたのではと思います。

クスリを使っていた時は、自分は望んでいないのに周りからどんどん友達が減っていき、楽しむために使い始めたはずの薬が、自分から楽しみを奪っていきました。クスリを覚える前、友達と一緒に遊んでいて凄く楽しかった感覚を、クリーンで仲間とサーフィンをしていて思い出すことが出来ました。その後、今日に至るまでクリーンで沖縄の夏を満喫できているわけですが、その理由の一つは、仲間と12ステッププログラムのおかげだと実感しています。

元々自助グループ発祥の治療プログラムである12ステップで、自分は家族との新しい関係を作り、幼なじみとの新しい友達関係、仲間達との新しい人間関係を作ることが出来ました。そして、自分を大切にできるようになったおかげで、周りの人達が自分を支えてくれるのにも気付けるようになり、心から感謝できるようにもなりました。

自分が目指す回復の中に『楽しむ』ということがありますが、プログラムに取り組む以前の自分は、心の中に何かしら囚われ事があり、『些細な事を楽しむ』ということが出来ませんでした。しかし仲間と12ステップはそれらを解消してくれ、以前と比べたら、とても『今』を楽しめるようになってきました。

自分もまだまだ回復途上ではありますが、これから繋がってくる新しい仲間達に、今日まで自分が仲間と12ステップから受け取ってきた『経験』を分かち合いつつ、共に沖縄の夏を楽しんでいきたいと思います。ありがとうございました。

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