どんな種類の薬物があるの?

酒・アルコール

図アルコール
アルコール(エチルアルコール)は、世界各地で古くから作られており、人類との付き合いが極めて長く、嗜好品のように捉えられることもありますが、実際には脳の機能に作用する薬物です。覚せい剤などと同じようなドラッグの一種と考えるべき危険な依存性薬物です。

アルコールの脳の機能に対する作用は「抑制」です。はじめは、思考や自制心などをつかさどる高次の脳機能が抑制されるため、感情のおもむくままに行動する傾向が目立ち、よくしゃべったり、気分が高揚したりするようにみえます。さらにアルコールの量が増えると運動機能や平衡感覚に影響が出て、何をしゃべっているか分かりにくくなったり、ふらついたりします。もっと酒量が増えると、意識がなくなり昏睡状態になり、最終的には呼吸中枢が麻痺して死に至ることもあります。このような作用は,アルコールが脳に作用して引き起こすものです。

アルコールは脳に作用する物質ですが、いくつかの特徴的な性質があります。ひとつは耐性です。耐性とは、期待するような効果を得るために、次第に薬物の量を増やしていかないと、それまでと同じ効果が得られないという性質です。たとえば寝酒を飲む場合,はじめはコップ1杯でも寝付けたのに、しばらく続けていると2杯飲まないと寝付けなくなるということが起こります。また量のコントロールも難しくなります。
アルコールは精神依存に伴い身体依存も引き起こします。アルコールの摂取をやめると離脱症状(≒禁断症状。薬物が体から排出されていくことによってひき起こされる症状)が出現します。離脱症状を抑えるために飲酒するようになります。こうした特性から酒、アルコールは非常に危険な依存性薬物の一つです。

危険ドラッグ・脱法ハーブ・合法ドラック

図2
最近、店舗やインターネット上で、「合法ハーブ」「お香」「アロマ」などと称する商品が販売されおり、こうした商品を使用した人が、意識障害、おうと、けいれん、呼吸困難等を起こして、重大な事故をおこしたり、死亡したり、重体に陥る事件が多発しています。

これらの商品は、法律で規制されないよう覚醒剤、麻薬、大麻など規制薬物の化学構造に似せて作られており、規制薬物と同等の作用を有する成分を含む商品が多く、大変危険です。

また、合法と称して販売する商品の中に麻薬などの規制薬物が含まれていた例もあります。

「薬事法」により、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある1379物質(平成26年7月15日現在)が指定薬物として、医療等の用途に供する場合を除いて、その製造、輸入、販売等が禁止されています。
当センターにとっても現在最も相談の多い薬物です。中毒症状も覚せい剤や大麻などの違法薬物に比べ重篤なケースが目立ちます。非常に危険な薬物です。

向精神薬・睡眠薬・抗不安薬

図1

中枢神経に作用し、精神活動になんらかの影響を与える
薬物を総称して「向精神薬」と呼びます。

コカインやLSDなどの麻薬と呼ばれる薬物も、広義では
向精神薬に分類されますが、多くは精神科や心療内科などで
処方される治療のための薬を指します。

睡眠薬や抗精神病薬、抗不安薬と抗うつ剤が含まれ、
どれも正しく使用すれば治療効果が期待できる薬剤ですが、
向精神薬依存症のからの離脱は、ヘロイン依存症よりも困難と
指摘する専門医もいます。

(ハルシオン・デパス・サイレース・リタリン・ロヒプノール・エリミン等)

覚せい剤

図覚醒剤
主に白色の粉末や無色透明の結晶。無臭でやや苦みがあります。俗に「シャブ」、「クスリ」、「S(エス)」、「スピード」、「ヤーバー(錠剤型の覚醒剤)」等と呼ばれています。

覚醒剤の水溶液を注射する方法が一般的ですが、粉末を火であぶって煙を吸う、飲物に入れて飲むといった方法もあります。神経を興奮させ、眠気や疲労感がなくなり、頭が冴えたような感じになります。しかし、効果が切れると、激しい脱力感、疲労感、倦怠感に襲われます。

覚醒剤は、特に依存性が強く、使用を続けると、”壁のしみが人の顔に見える”、”いつもみんなが自分を見て悪口を言っている”、”警察に追われている”、”誰かが自分を殺しに来る”などといった幻覚や妄想が現れるほか、時には錯乱状態になって、発作的に他人に暴行を加えたり、殺害したりすることがあり、このような症状は、やめても長期間にわたって残る危険性があります。

また、大量の覚醒剤を摂取すると、急性中毒により、全身けいれんを起こし、意識を失い、最後には脳出血で死亡することもあります。

ギャンブル

図ギャンブル
以前から「仕事中毒」などという表現もあり,何かにのめりこんで生活のバランスを失ってしまう人がいることは,多くの人が理解できることでしょう。最近は「ギャンブル依存症」「買い物依存症」などがマスコミで取り上げられることがあります。とくにギャンブルについては,「病的ギャンブリング(賭博)」として医学的な診断基準集にも掲載されるようになりました。

このような行動のパターンは,プロセス依存,プロセス嗜癖(=行為そのものに対する嗜癖)と呼ばれます。摂食障害や繰り返されるリストカットなども,プロセス依存としての側面を含んでいるという考え方もあります。

MDMA・MDA

図MDMA
MDMAは、本来は白色粉末ですが、様々な着色がされ、文字や絵柄の刻印が入った錠剤の形で密売され、俗に「エクスタシー」等と呼ばれます。MDAは、白色粉末で、俗に「ラブドラッグ」等と呼ばれています。

MDMAとMDAの薬理作用は類似しており、視覚、聴覚を変化させる反面、不安や不眠などに悩まされる場合もあり、使用を続けると錯乱状態に陥ることがあるほか、腎・肝臓機能障害や記憶障害等の症状も現れることがあります。

コカイン

図コカイン
コカインは、南米産のコカの木の葉を原料とした薬物で、無色の結晶又は白色の結晶性粉末で、無臭で苦みがあり、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬として規制されています。

コカインは、鼻粘膜からの吸引のほか、経口による方法で乱用されています。

コカインには、覚醒剤と同様に神経を興奮させる作用があるため、気分が高揚し、眠気や疲労感がなくなったり、体が軽く感じられ、腕力、知力がついたという錯覚が起こります。しかし、覚醒剤に比べて、その効果の持続時間が30分程度と短いため、精神的依存が形成されると、一日に何度も乱用するようになります。

乱用を続けると、幻覚等の症状が現れたり、虫が皮膚内を動き回っているような不快な感覚に襲われて、実在しないその虫を殺そうと自らの皮膚を針で刺したりすることもあります。コカインを大量に摂取すると、呼吸困難により死亡することがあります。

LSD

図LSD
LSDは、合成麻薬の一種で、「麻薬及び向精神薬取締法」の規制の対象とされ、水溶液をしみこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等があり、経口又は飲み物とともに飲むなどして乱用されています。

LSDを乱用すると、幻視、幻聴、時間の感覚の欠如などの強烈な幻覚作用が現れます。特に幻視作用が強く、ほんのわずかな量だけで物の形が変形、巨大化して見えたり、色とりどりの光が見えたりする状態が8~12時間続きます。

また、乱用を続けると、長期にわたって神経障害を来すこともあります。

ヘロイン

図ヘロイン
ヘロインは、けしを原料とした薬物で、けしからあへんを採取し、あへんから抽出したモルヒネを精製して作られ、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬として規制されています。

純粋なヘロインは白色粉末ですが、純度の低いものに灰色や灰褐色のものもあり、粉末のほかに棒状、粒状等さまざまな形状のものがあります。一般的には無臭ですが、中には酢酸の臭いのするものもあります。

ヘロインは、静脈注射のほか、火であぶって煙を吸う方法、吸引具により吸引する方法、経口による方法で乱用されています。

ヘロインには神経を抑制する作用があり、乱用すると強い陶酔感を覚えることから、このような快感が忘れられず、乱用を繰り返すようになり、強い精神的依存が形成されます。さらに、強い身体的依存が形成され、2~3時間ごとに摂取しないと、体中の筋肉に激痛が走り、骨がバラバラになって飛散するかと思うほどの痛み、悪寒、嘔吐、失神などの激しい禁断症状に苦しむこととなり、あまりの苦しさから精神に異常を来すこともあります。また、大量に摂取すると、呼吸困難、昏睡の後、死に至ります。

ヘロインは心身への影響が非常に強いことから、医学的な使用も一切禁止されている大変危険な薬物です。

大麻

図大麻
乾燥大麻(「マリファナ」、茶色または草色)、大麻樹脂(「ハシッシュ」、暗緑色の棒状又は

板状等)、液体大麻(「ハシッシュオイル」、粘着性のある暗緑色又は黒色のタール状の液体)

があります。通常は乾燥した葉等をキセル、パイプ、水パイプ等を使用して吸煙しますが、

そのまま食べる、溶液として飲むなどがあります。

一般的には、気分が快活、陽気になり、よくしゃべるようになるといわれていますが、その一方、視覚、聴覚、味覚、触覚等の感覚が過敏になり、変調を来したり、現在、過去、未来の観念が混乱して、思考が分裂し、感情が不安定になったりします。このため、興奮状態に陥って、暴力や挑発的な行為を行うことがあり、さらには、幻覚や妄想等に襲われるようになります。

また、毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態となる「無動機症候群」に陥ることもあります。

シンナー等有機溶剤

図シンナー
シンナーとは、塗料を薄めるために使用される有機溶剤のことをいい、その成分となるトルエン等とともに、「毒物及び劇物取締法」により、その乱用等が規制されています。 シンナー等の有機溶剤を乱用すると、神経が抑制されてぼんやりとし、酒に酔ったような感じになります。

乱用を続けると、集中力、判断力が低下し、何ごとにも無気力になるほか、幻覚や妄想などの症状が現れます。

また、身体に与える影響も大きく、心臓、肝臓、腎臓、呼吸器系、生殖器官等の各種器官に障害が起こります。特に恐ろしいのは、乱用によって大脳が萎縮し、一度破壊された脳の働きはたとえ乱用をやめても決して元には戻らないことです。

さらに、大量に吸入した場合には、呼吸中枢が麻痺するなどにより、窒息死することもあります。

咳止め薬・シロップ(ブロン/新トニン)

5図

合法的な市販薬。主成分は、塩酸メチルエフェドリン(エフェドリンは覚醒剤の原料)と、リン酸ジドコデイン(コデインはモルヒネ型の薬物)。1980年代半ば、製品のひとつ「ブロン」の乱用が問題化した。

アヘンの主成分であるコデインが含まれている為、強い依存性がある。

ヘロインなどと並び、精神依存・身体依存・耐性ともに非常に強い。

特徴として毎日の連続使用の状態になると、薬代を確保するために盗癖が出るケースが多くみられる。

 

 

 

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